五冠達成の藤井聡太はなぜ強いのか?根本解説!将棋は思考力と暗記力の対決

2022-02-12    623   1546 この記事はYoutubeにて同じ内容のものが公開されております

藤井聡太の強さを解説


藤井聡太が4連勝ストレート勝ちで新たなタイトルを獲得。五冠達成となりました。
プロ棋士のレーティングを見れば、一人抜きん出ているのが分かります。
デビューから約5年間、勝率8割超えというのも、他の棋士と見比べると圧倒的です。

今回は「思考力」というワードを掘り下げて、
なぜ藤井聡太という男は強いのか?根本的なところを解説してみたいと思います。

将棋の序盤戦は暗記力の対決になります。
序盤の戦局では居飛車と振り飛車という2つの大きな分かれ道があります。

振り飛車は飛車が動く分、覚えないといけない手数がものすごい増えます。
対して、居飛車の方は振り飛車よりは分岐が少ないので、覚える量は減ります。

ですので、先手番で居飛車党の人は暗記力で序盤戦を確実に有利に進めようというスタイル。振り飛車党は感覚で戦うスタイル。と言っても、居飛車・振り飛車共に、序盤はソフトを使った最善手の丸暗記が現代将棋になっています。

終盤は人間が暗記できる領域を遥かに超えているので、暗記ではなく思考力の戦いになります。

対局には制限時間がありますので、序盤はトントン進めて、中盤以降に熟考モードに入ります。
中盤は選択肢が一番多く、終盤に響いてくるので、中盤が一番難しいのかなと思われます。

米長永世棋聖のエピソードなのですが、米長さんは思考力で戦う棋士で終盤戦を得意にしていました。一時は四冠王にまで上り詰めたのですが、ある日若手によく負かされることが続いたそうで、若手の研究にお邪魔したそうです。そこでは序盤の研究がなされていました。当時はAIの将棋ソフトはまだ強くなかったので、自力で最善手を見つけて暗記していくという途方のない研究方法。

序盤で優勢を気付けば、中盤・終盤がラクになる。逆に序盤で差をつけられてしまうと、逆転が難しくなる。ということで、米長さんも若手と一緒に序盤の研究をするようになり、49歳で名人位を獲得する偉業を成し遂げました。

現在のトップ棋士である渡辺さんはこんなことを言いました。
「研究はただソフトの最善手を暗記しているだけです」
周知の事実ではあったけど、トップ棋士が「ソフトの方が強いので…」とあっさり公言してしまいました。

では、現在最強の実力を持つ藤井聡太五冠の強さは一体なんなのかというと、暗記力も思考力も両方すごいんです!逆にレートが低いプロ棋士は、トップに比べて思考力に欠けているということになります。プロ棋士はみんな序盤の暗記はかなりものです。暗記は努力。思考力は資質・感覚で才能に直結する要素だと思います。

羽生さんが終盤戦で魅せてきた、大逆転の手はまさに才能と言わざるを得ません。
今は藤井五冠の終盤戦で魅せる手がよく話題にあがります。
暗記力よりも思考力の方が人を魅力します。

武田邦彦という学者さんはこんなことを話していました。
「思考力があると、覚えなくていいんです」
これと共通する話を数学の世界でも耳にしたことがあります。
「4つほど公式の本質が分かれば、全部の公式が自分で導きだせる」
ようするに「思考力があれば、覚えなくてもいい」ということです。

藤井聡太五冠は終盤の思考力対決の場面でも、AIと同じ手を指すことが多く、業界の人達も驚かされています。それは思考力の高さを物語っています。

で、我々将棋の世界以外の人間も、思考力が重要です。将棋の世界では暗記力も超重要ですが、一般社会では暗記の必要性は薄いです。検索すればいつでも確認できますから。

ということで「思考力」について長々と語ってみました。

詰め込み教育を全否定する訳ではありませんが、日本の教育方針は完全に時代遅れなので、今の子供達が不憫で仕方ありません。以上、学校不要論派の一味でした。

カテゴリ: 個人的主張

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