安楽死に反対している人は知っているのか?どれほどの痛みに末期のガン患者が苦しんでいるのかを
2019-07-17 637 1626
▽「もがき苦しんで死にたくない」という望みに安楽死の種類の話は不要
▽祖父の苦しみ方は尋常じゃありませんでした
▽耐えられない痛みを知る人はまだまだ少ない?
▽記事では徐々に発信されている「耐えられない痛み」の現実
▽日本で行われている究極の緩和ケア「鎮痛」
▽70%の患者は苦しまずに最期を迎えられる!?
▽祖父の苦しみ方は尋常じゃありませんでした
▽耐えられない痛みを知る人はまだまだ少ない?
▽記事では徐々に発信されている「耐えられない痛み」の現実
▽日本で行われている究極の緩和ケア「鎮痛」
▽70%の患者は苦しまずに最期を迎えられる!?
「もがき苦しんで死にたくない」という望みに安楽死の種類の話は不要
安楽死の話をする上で、「積極的安楽死」「消極的安楽死」「尊厳死」「自殺幇助」などなどの違いを
まず分かって下さいと述べる有識者の方が多くいますが、話をややこしくするだけなので、ここでは説明しません。
この記事では「終末期医療の安楽死」のことだけにスポットを当てています。
私はこの安楽死に関しては賛成派です。とくに終末期の安楽死に関しては絶対的に。反対を認めたくないほどに。
なぜ賛成派なのかというと、ガンで亡くなった祖父の最期。痛みもがき苦しむ姿を見てしまったからです。
祖父の最期の苦しみ方は尋常じゃありませんでした
亡くなる1週間前の苦しみ方は特に尋常ではありませんでした。
ガンの痛みと抗がん剤の副作用によるものです。
亡くなる1ヶ月も前から本人の「早く楽になりたい」と希望があったし、家族も皆、もがき苦しむ姿をこれ以上見たくないという思いから「早く楽にしてあげてください」という希望でしたが、最期の最期まで苦しんで亡くなりました。未だに担当医師のことを恨めしく思います。
中学3年の時に祖父の最期を病院で看取ったのですが、本当に衝撃でした。ものすごく痛そうで苦しそうでした。それが「耐えられない痛み」を直に見て知るきっかけとなりました。
耐えられない痛みを知る人はまだまだ少ない?
「緩和ケアがあるから痛みはそれほどないんじゃない?」
「がん患者のドキュメンリー見たけど、それほど苦しそうに見えなかったけど?」
そう思っているような方は、そもそも安楽死の賛否を語る資格はありません。
ドキュメンタリーで、がん患者の最期1週間の映像は見たことがありません。
それは、テレビで流せるような生易しいものではないからです。
それもそう。あんなにも、もがき苦しむ患者を放送できるわけがありません。衝撃的すぎます。
それを放送してしまうと、感受性の強い人達は不安を抱え、ストレスになり、鬱にまで発展するのでは?と思ってしまうくらいの衝撃です。
だから、実際に現場で見た人にしか知り得ない事実でもあるのです。
まず、「耐えられない痛み」の現実を知って下さい。がんセンターに行って見学させてもらってください。反対派の人は180度意見が変わると思います。
記事では徐々に発信されている「耐えられない痛み」の現実
私の祖父の緩和ケアはモルヒネ注射。当時お尻にモルヒネ注射されるところを見ていました。
しかし、モルヒネは痛みの緩和度が低いです。
ガンで亡くなる最期の1週間は痛みのピークで、モルヒネごときでは痛みの緩和はできません。
最期1週間の「痛い痛い」という言葉から、
最期3日は「オ゛オ゛オ゛ーーー」という苦しみの声に変わります。
もうこれ以上は苦しみに関するディテールは書きません。
ただ分かってほしいのです。癌患者の終末期の実情を。
分かっている人だけが安楽死の重要性を知ることができますから。
私は、祖父の最期を看取って以来、安楽死ができないことで将来への不安を大きく抱えています。
だから賛成派を増やしたい。
自分も祖父と同じ状況になったら、安楽死を利用したいからです。
下記の記事は、痛みに関してのことが事実である証拠となる、真実を発信している記事です。
あなたもがんをみとる=死に直面する厳しさ
医師の言葉
「どんなに緩和ケアの技術が進んでも、最期を迎える直前の数週間から数日は、どうしても厳しい状態に陥る」
「そのときの発言や態度が、死を迎えて表に出た患者の本心だと思い、患者の死後も引きずる心の傷を負ってしまう」
「このような状態は死を迎えるまでのごくありふれたプロセスです」
薬の力で、最期は苦しまず、眠るように逝きたい
医師の言葉
「あらゆる治療と緩和ケアを施しても苦しみが残る患者は、確かにいます」
「体力のある患者ほど、苦しみながら最期の時を迎えてしまうことが多いようです」
終末期の苦痛に対するセデーション(鎮静)の在り方
京都大学名誉教授 星野一正 医師
「末期癌の患者の痛みは特に激痛の場合が多く、その上、耐えられないほどのだるさ(倦怠感)や腹部の膨満感、吐き気、嘔吐、息苦しさなど痛みとは異なる苦痛で苦しむことも多い。」
「末期がんで痩せて骨ばってきたところにできた褥創(とこずれ)の痛みには耐えられない場合が多い」
「全身倦怠感があるとか足がだるくて置き場所がなく痛くはないけれど耐えられない苦痛がある」
星野一正氏の記事は古めの記事ですが、かなり細かいことが書かれており非常に参考になります。
そういえば、祖父は闘病中しきりに「だるいだるい」と言っていました。
だるいってどんな感じ何だろう?と疑問に思っていましたが、この記事で意味が理解できました。
「全身倦怠感」これはなってみないと分からない苦しみなのでしょう。
日本で行われている究極の緩和ケア「鎮痛」
これまで終末期最期の1週間の苦しみについて説明をしてきました。
モルヒネは最終的に効かなくなります。
それを遥かに越える耐え難い苦しみが最期に待っているのです。
モルヒネ注射以外にもっと痛みを抑える処置はないのだろうか?
「緩和ケア」のワードで調べ事をするとよく出てくるのが「鎮痛」というワード。
医者が使用を躊躇する究極の選択肢。
鎮痛は麻酔のように意識を低下させるという緩和ケアの手段です。
下記の外部記事は鎮静を受けた患者の生々しい記録が綴られています。
鎮静による患者本人と家族の気持ち、医者側の気持ちが非常に参考になる記事でした。
最期は苦しみますか?」 全ての苦痛は緩和できるか
在宅で迎える“最期のとき” 終末期鎮静 めぐる葛藤
鎮静は苦しんだ挙げ句の選択となるので、苦しむことには変わりません。安楽死とは程遠いものです。
癌患者はみな最期に耐え難い苦しみを乗り越えなければいけないのだろうか…。
70%の患者は苦しまずに最期を迎えられる!?
下記の記事にこうありました。
「最期は苦しみますか?」 全ての苦痛は緩和できるか
残念ながら、あらゆる緩和ケアの技術を総動員しても、全ての苦痛が緩和されるわけではありません。
しかし、適切な緩和ケアが実践されれば、70~80%の患者さんは苦しまずに最期の時を迎えることができます。
え!?70~80%の可能性で苦しまずに最期の時を迎えられる!?しかし、次にこう書かれていました。
この70~80%というのはどういう根拠から導かれたかというと、多くの研究の集計で「終末期の苦痛を緩和するための鎮静が施された患者の割合が34.4%であること
しかし、逆に受け取ると、70%の人は鎮静をしていないということなので、やはり多くの方がもがき苦しみながら亡くなっているのでは?という疑問もこれは非常にショッキングな事実です。
終末期医療の安楽死は絶対に必要です。
現在の日本には「効果の薄いモルヒネ注射」「さんざん苦しんだ挙げ句の鎮静」の緩和ケアまでしかないのです。
尊厳死の方は認めない方でも、終末期医療の安楽死は認めている人は多いと思います。
何度でも書きます。終末期医療の安楽死は絶対に必要です。
がん末期患者、その他治る見込みがない状態の方の「耐え難い苦しみ」。
それを知らないで反対するのは無責任でしかないと思います。