信念ある真の医師達から尊敬される免疫学者の安保徹(あぼとおる)博士「死ぬまで元気な生き方」

2020-08-12    1032   2336

安保徹

免疫学の世界的権威である安保徹先生。
非常に素晴らしい内容でしたので、動画でお話されていた内容を記事ベースでまとめました。


最初のキーワードは自律神経(交感神経と副交感神経について)


交感神経は緊張モード、副交感神経はリラックスモードという認識で読むと分かりやすい。

病気の7割は肉体的に無理が続く人、心配事でストレスがある人
残りの3割は副交感神経の偏りがある人

寝る、休むは副交感神経が働く。
消化活動も副交感神経が働く。だからものを食べた時も気分が楽になる

楽な副交感側に偏りすぎると、能力低下で苦しむ形になる。

『無理をしても、楽をしても病気になる』

辛い時や困難な時に、交感神経を緊張させて跳ね返す気迫が必要で、
あまり楽な生き方をすると敗北してしまうわけです。

若い青年がせっかく良い会社に就職したのに、ちょっと上司にキツイ事言われて、すぐに辞める。
これは穏やかに生きすぎて、副交感神経に偏った生き方が困難に立ち向かう力を失わせたということ。

無理をして交感神経を緊張させすぎても破綻するし、
楽しても破綻するという感覚をもって、自分の生き方を見つめることが必要。


70歳過ぎても元気ハツラツな人もいるけど、すっかり弱っている人もいる。
能力は使い続けないと、維持できないのです。
頭の能力も考えたり決断したりしていないと、能力は維持できない。

能力の維持には、動かせるところは全部動かす必要がある。一箇所だけ鍛えるのは偏り。
お年寄りは足腰が弱ってくるからといって散歩ばかりしてると、
血流が下半身に偏って、頭から血が引いて、脳への血流が抑制されてしまう。
長年散歩していると徘徊老人になってしまうわけです。
バランスよく上半身の運動も必要なのです。上半身の動きで脳の血流を刺激した方が良い。

能力の限界を超えるような生き方をしても危険だし、
能力を維持するような生き方を怠っても危険だというのが、自律神経の働きで分かることです。

次のキーワードは白血球(顆粒球とリンパ球)


自律神経のバランスが良い人たちは、細菌を倒す顆粒球が60%くらい血液中にある。残りの40%くらいは免疫の働きをするリンパ球。
無理したり、悩んでる人は一日中交感神経が緊張状態になっており、顆粒球が多くて、リンパ球が少ないという分布に。

顆粒球は交感神経からのノルアドレナリン、副腎から出るアドレナリンにより刺激されて増える。
リンパ球は副交感神経からのアセチルコリンを受け取る受容体。穏やかな生き方をすると免疫が高い。
あまりにも穏やかな生き方が過ぎると、リンパ球が増えすぎて過敏の状態になり、様々なアレルギーで苦しむことになる。

食べ物も自律神経の偏りに影響する。
消化系は副交感神経支配なので、食べることはすごく楽。とくに甘いものは血糖がすぐに上がるので癒やされる。
しかし、リンパ球を増やす力も強い。ぜんそくやアトピーの子どもたちはすごく甘いものが好き。

自律神経(交感神経と副交感神経)の偏りからくる、白血球(顆粒球とリンパ球)の偏り。

無理したり悩んだりすることによる病気は、大量の顆粒球が常在菌と反応して起こる。
典型的なのは歯周病。老人たちの歯が抜けて入れ歯が多いのは、過酷な生き方が原因。
あまりに過酷な生き方は粘膜破壊の病気になる。びらん性の胃炎や胃潰瘍、痔など。

真面目な人は自分が無理してることに気づかないことがあるので危険です。

私達は組織破壊の病気やアレルギーになってもすぐに敗北するわけではない。
体は治る反応を起こして打ち勝とうとする。


組織破壊の時は、腫れたり、熱をもったり炎症を起こして治りにかかる。
下痢したり、腹痛が起きた時は、血流が増えて修復過程に入る。内視鏡で見ると内膜が腫れている。これは血流を増やして修復する体の反応。

炎症を抑える薬を使うと、病気の治癒が妨げられる。対処療法のやりすぎは危険。

ぜんそくの咳は抗原を外に出す為の治癒反射。
喘鳴も強い呼気でハウスダストを吐き出すという体の反応。
抗ヒスタミン剤やステロイドで咳を止めにかかると、一時的にはラクだけど使い続けないといけない。

基本的には私達の体は間違いを起こさないという感覚を持たないといけない。

だけど、私達は生き方は間違えます。くよくよする、悩みすぎるとか、甘い物に目がなくてついつい食べて、リンパ球が増えぎたり。
病気しやすい人は、自分が病気しやすい生き方を選んでいるという感覚が必要。

次のキーワードは体温


1,000人規模の調査で体温の平気は36.5度でした。この体温も自律神経の支配下にある。
ちょうどバランスのよい生き方をしている人は36.5度。

活発に生きてる人は体温が高くなる。(36.8度とか)
顔色が良くて、皮膚もハリがあって、ハツラツな人は代謝が高くて体温が高い。循環量も増える。
穏やかに生きていて、あまり怒ったりしない人は体温が低い。(36.2度とか)

みんなの体温は35.8~37.2度にほとんど収まる。

(37.2度の人を超えるような)もっと激しい生き方をしている人は、逆に顔色が悪くなってくる。
それは交感神経緊張による血管収縮が前面に出て、低体温になるから。

逆にもっと穏やかな生き方をして、体を動かさない人も35度台の低体温。
それは副交感神経に偏りすぎて疲れやすくなる。

無理をしても低体温、ラクをしても低体温になる。
お風呂に入ったり、湯たんぽで体を温めるのはどっちにも有効。
体を温めるとエネルギーが湧くのですごく大切なこと。


以下からはマニアックな深い知識になっていきます。
なぜ赤身の魚と白身の魚があるのか?興味深いお話に繋がるので必見です。

「温める」と「冷やす」に関する気づき


日本各地には若者の体を冷やす行事やお祭りがあったりする。
細胞の分裂が一番早い場所は精子であり、精巣は温めると分裂が抑制される。
分裂の世界では冷やすのが有効だった。

温めて良い場所と冷やして良い場所があることに気づいた。
男性の精巣がたよりなくぶら下がっているのは、冷やす為だったのです。
あと、瞬発力の世界も冷やすのが有効。

温める世界はタンパク合成したり、筋肉だったら持続力を発揮する。
冷やす世界は細胞の分裂や瞬発力を発揮する。

人間の2つのエネルギーの作り方


私達は一つの生命体なのに、2つのエネルギーの作り方を持っているのです。

一つは酸素を使わない解糖系(ブドウ糖をピルビン酸から疲労物質の乳酸にする)の作り方。だから瞬発力は血流も酸素もいらない。
短距離の水泳選手は体を締め付ける水着で、血流を抑制すると成績があがるのです。
バッティングセンターでボール打つ時、交通事故を避けようとする時、怒る時も瞬発力です。
(こういった状況の時は無呼吸で無酸素状態。瞬発力を出すのは解糖系エネルギー)

もう一つは酸素を使って、温かい世界で効率よくエネルギーを作る。いわゆる呼気的状態。
これはミトコンドリアで行われる有酸素でのエネルギー生成。これは持続力用のエネルギー。
ミトコンドリアが一番多いのは休みなく動いている心筋。有酸素で暖かくて40度くらいの発熱で働いている。

あとは、骨格筋の中の赤筋。酸素を出し入れするための物質には鉄(ポルフィリン)が使われている。
鉄は酸素をたくさん含んだ時は赤くなり、酸素が離れると茶色。ミトコンドリアが多い部分は赤や茶色である。

解糖系(瞬発力)と呼気的(持続力)のエネルギーの作るスピードはおよそ100倍の差がある。

動物によっては赤筋に偏った生物、白筋に偏った生物がある。
例えば、マグロなどの赤身の魚はずっと泳ぎ続けている持続系(赤筋)
ヒラメやカレイはじっとしていて、餌が来るとパっと動く瞬発力(白筋)

人間の場合は、子供の頃は瞬発力(解糖系エネルギー)の割合が多い。
大人になると1:1の割合になるが、老人になってくると瞬発力は衰えて、持続力エネルギーに偏る。


関連記事:
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カテゴリ: 健康法

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